(F.5) の解空間の次元は であることを証明することが
大事な目標であるが、
まず1次独立性(線形独立性)の定義を想い出そう。
線形空間 の要素 , , が1次独立であるとは
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(F.6) |
が成り立つことをいう。
, ,
が
線形同次微分方程式
() の解である場合は、
は
|
(F.7) |
を意味する。このことは容易に理解できるが、
この条件
(無限個の について等式が成り立つ)を確認するのは、
一見してそれほど簡単でないように思われるかもしれない。
実は、
この後紹介する定理 F.3 によると、
線形同次微分方程式
の
個の解
, ,
に対しては、
任意に選んだ1つの に対して
が成り立つことを確認すれば良い。
証明.
(
F.9) を証明しよう。
行列
の第
成分を
と表すことにする
(
番目の解であるベクトル値関数
の第
成分である
--
(
)
が成り立つことに注意する)。
(
F.9) を解けば
(
G.3) が得られる。
この定理から について、
- (a)
- 任意の に対して であるか
- (b)
- 任意の に対して であるか
どちらか一方のみが成り立つが成り立つことが分かる。
ゆえに、ある に対して、
, ,
が
の1次独立なベクトルならば、
(a) が成り立たないので、(b) が成り立つ。すなわち任意の に対して
これは
, ,
が
の1次独立なベクトルであることを意味する。
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桂田 祐史