F..5.1.3 (iii) $ \THEN$ (ii) の証明:

(iii) を仮定すると、 任意の $ \bm{c}\in\mathbb{K}^n\setminus\{\bm{0}\}$ に対して $ \dsp\sum_{i=1}^n c_i\bm{\varphi}_i\ne\bm{0}$. これは関数としての式(定数関数$ \bm{0}$ではない)であるから、 ある $ t_0\in I$ が存在して $ \dsp\sum_{i=1}^n c_i\bm{\varphi}_i(t_0)\ne\bm{0}$. 初期値問題の解の一意性から、 任意の $ t_1\in I$ に対して $ \dsp\sum_{i=1}^n c_i\bm{\varphi}_i(t_1)\ne
\bm{0}$. ゆえに

$\displaystyle (\forall t\in I)(\forall \bm{c}\in\mathbb{K}^n\setminus\{\bm{0}\})
\sum_{i=1}^n c_i\bm{\varphi}_i(t)\ne\bm{0}
$

が成り立つ。すなわち (ii) が成り立つ。

桂田 祐史