F..5.1.2 (i) $ \THEN$ (ii) の証明:

(i) を仮定すると、 任意の $ \bm{c}\in\mathbb{K}^n\setminus\{\bm{0}\}$ に対して $ \dsp\sum_{i=1}^n c_i\bm{\varphi}_i(t_0)\ne\bm{0}$. 初期値問題の解の一意性から、 任意の $ t\in I$ に対して $ \dsp\sum_{i=1}^nc_i\bm{\varphi}_i(t)\ne\bm{0}$. ($ \because$ ある $ t_1\in I$ $ \dsp\sum_{i=1}^nc_i\bm{\varphi}_i(t_1)
=\bm{0}$ となるならば、$ t=t_1$ を初期時刻とした初期値問題を考えて、 任意の $ t\in I$に対して $ \dsp\sum_{i=1}^nc_i\bm{\varphi}_i(t)
=\bm{0}$ が導かれて矛盾が生じる。) ゆえに

$\displaystyle (\forall t\in I)(\forall \bm{c}\in\mathbb{K}^n\setminus\{\bm{0}\})
\sum_{i=1}^n c_i\bm{\varphi}_i(t)\ne\bm{0}
$

が成り立つ (2つの $ \forall$ の順番を入れ替えただけ)。 すなわち (ii) が成り立つ。

桂田 祐史