4.2 単振動の方程式の解

よく知られているように、 $ \omega\ne 0$ ならば

$\displaystyle x(t)=C_1\cos\omega t+C_2\sin\omega t$   ($ C_1$, $ C_2$ は任意定数) (4.2)

が (F.8) の一般解である (付録のC 「定数係数線形同次常微分方程式に対する特性根の方法」 の 定理C.3 を見よ)。

三角関数の合成をすると

$\displaystyle x(t)=A \sin\left(\omega t+\phi\right), \quad A>0,\quad \phi\in\mathbb{R}$ (4.3)

の形に変形できる。


     $ A$, $ \phi$ をどのように定めれば (4.3) が成り立つか。

必修課題 4.2.1   特性根の方法により (4.2) を解き、 (4.2) が (F.8) の一般解であることを示せ。

必修課題 4.2.2   任意の実数 $ x_0$, $ v_0$ を与えたとき、 初期条件

$\displaystyle x(0)=x_0,\quad x'(0)=v_0$ (4.4)

を課した初期値問題の解を求めよ。それが唯一の解であることはどうして分かるか。

課題 4.2.1   $ k$ を正定数とするとき、微分方程式

$\displaystyle x''(t)+k x'(t)+\omega^2 x(t)=0
$

減衰振動の微分方程式と呼ぶ。 この微分方程式の一般解を求め、解のグラフ (横軸 $ t$, 縦軸 $ x$) を描け。 $ k$ が小さいと、解は単振動のように符号を変えて振動するが、 $ k$ が大きいと、解は符号を変えずに 0 に収束する。 境目となる $ k$ を求めよ。



桂田 祐史