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3.5 差分解の漸近挙動の解析
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3 行列法による安定性解析
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3.3 のスペクトル解析
3
.
4
のスペクトル解析
を
(
7
)
で定めると
となる。
の固有値、固有ベクトルは前項で調べたように
,
(
) で与えられるから、
の固有値、固有ベクトルは
,
(
) で与えられることが分かる (Frobenius の定理の一般化、桂田 [
3
] の第4章にある「有理式版フロベ ニウスの定理」)。
(1) まず
とするとき、
であることに注意する。
であるから、
は
で狭義単調増加である。 (2) は単純な計算で分かる。 (3) については、
であるから、
この分母は正であるから、
or
さて、
より
であるから、上の補題の (1), (2) を用いると、
補題の (3) より、
or
さらに、もしこの仮定が成り立たない、すなわち
13
and
ならば、
となるので、
に注意すると、十分大きな
に対して
ゆえに
となることが分かる。 まとめると次の定理を得る。
桂田 祐史