3.5 差分解の漸近挙動の解析

前項の議論から、 $ R_{N-1}$ のスペクトル半径が $ 1$ より大きいとき、 絶対値最大の固有値は $ f(\mu_{N-1})$ であることがわかる。 このとき、 大抵の初期値 $ \vec U^0$ に対して、 $ n$ が大きいとき、 $ \vec U^{n}$ $ \vec v_{N-1}$ 成分がメジャーになる (行列の固有値・固有ベクトルを求める アルゴリズムである冪乗法の原理と同じ)。 $ v_{N-1}(x)=\sin (N-1)\pi x$$ [0,1]$ に山と谷が合わせて $ N-1$ 個ある関数であるから、 $ \vec v_{N-1}=
(v_{N-1}(x_1),\cdots,v_{N-1}(x_{N-1}))^T$ は ジグザグしているグラフを持つことが想像できるであろう (きちんとしたステートメントにして証明できるか?)。 それゆえ、 不安定なスキームによる差分解のグラフがジグザグしていることは 納得できるであろう。

ちゃんと命題の形で書くこと。 ジグザグしていることも、良く出て来ることなので、 もっときちんと書いておきたい。



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桂田 祐史