が行列とベクトルの積の形になっている の場合は、少し理 論的な話をしました(前回)。一般の力学系も、この講義で解説した方法によっ て計算機を用いて解くことは可能ですが、理論的なアプローチとしてはどうい うものが可能でしょうか?
一つの重要な方法は、平衡点をすべて見つけて、その回りの流れ を「線形化の手法」で解析する、というものです。
(ここで平衡点とは、方程式の右辺が 0 となるような点、すなわち を見たす点 のことです。直感的には、そこでは流れが止まっている 点のことです。 が平衡点である場合、 (値が恒等的に となる関数)は方程式 (1) の解になります。)
線形化という言葉を説明する前に、実例を見て下さい。