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微分方程式の解は関数であり、これは関数空間の要素としてとらえるのが
(数学では)普通である。(大抵の場合、関数空間は無限次元空間で、問題を複
雑にしている。)
微分方程式は解析的5.1に解けないことが多い。たとえ解けても便利でないことがある5.2。
近似解法 -- 解の有限的な近似表現を求める。
- 有限次元の関数空間の要素で近似する、が基本。
- 特に連続変数を離散変数に置き換えて近似する離散変数法が有力。
残念ながら
常微分方程式の初期値問題に限っても万能の方法はない。
プロでない平均的ユーザーとしては、実際的にはとりあえず Runge-Kutta
法を使い、不満があれば他の方法を考える、くらいで良いだろう。
この講義では、基礎概念について簡単に紹介した後で、
- 刻み幅の自動調節(adaptive stepsize control)
- 硬い方程式(stiff problem)
などの進んだ話題についてコメントする。詳しいことを知りたい場合は、まず
(後述する) 三井斌友「数値解析入門」などを見るとよい。
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Masashi Katsurada
平成17年6月2日