C..2.5.4 [ $ e^{ax}\cos (bx)$, $ e^{ax}\sin (bx)$$ 1$独立性]

定数 $ A$, $ B$ について

$\displaystyle Ae^{ax}\cos(bx)+Be^{ax}\sin(bx)=0
$

が成り立ったとする。$ x=0$ を代入して

$\displaystyle A=0.
$

また、微分してから $ x=0$ を代入して

$\displaystyle Aa+Bb=0.
$

仮定 $ b\ne 0$ に注意すると $ A=B=0$ が示せる。 ゆえに $ e^{ax}\cos (bx)$, $ e^{ax}\sin (bx)$ は1次独立である。(証明終)


線形代数を応用すると、計算があまり必要のない証明が得られ、見通しが良くなる。 例えば、 $ n$ 階線形同次方程式の解空間が$ n$次元線形空間であることが一般的に示される。 それが分かれば、1時独立な解が$ n$個求まれば、 それが基底であることがすぐ結論でき、一般解が得られる。 (補足終)


\begin{jexample}
$y''+y'+1=0$\ の特性方程式は $\lambda^2+\lambda+1=0$\ ...
...}
\quad\mbox{($A$, $B$\ は任意定数)}. \qed
\end{displaymath}\end{jexample}



桂田 祐史