C..3 まとめ

$ y''+p y'+q y=0$ ($ p$, $ q$ は定数) の 一般解は次のように求まる。
(i)
$ \lambda^2+p\lambda+q=0$ が相異なる $ 2$$ \alpha$, $ \beta$ を持 つならば、

$\displaystyle y=A e^{\alpha x}+B e^{\beta x}$   $\displaystyle \mbox{($A$, $B$\ は任意定数)}$$\displaystyle .$

(ii)
$ \lambda^2+p\lambda+q=0$ が重根 $ \alpha$ を持つならば、

$\displaystyle y=A e^{\alpha x}+B x e^{\alpha x}$   $\displaystyle \mbox{($A$, $B$\ は任意定数)}$$\displaystyle .$

(iii)
$ p$, $ q$ が実定数で、 $ \lambda^2+p\lambda+q=0$ が虚根 $ a+ib$ ($ a$, $ b\in\mathbb{R}$; $ b\ne 0$) を持つならば、

$\displaystyle y=C_1 e^{a x}\cos bx+C_2 e^{a x}\sin b x$   $\displaystyle \mbox{($C_1$, $C_2$\ は任意定数)}$$\displaystyle .$

このように $ 2$ 階方程式の一般解は、 適当な二つの関数 $ \varphi_1$, $ \varphi_2$ を用いて、

$\displaystyle y=C_1\varphi_1(x)+C_2\varphi_2(x)$   $\displaystyle \mbox{($C_1$, $C_2$\ は任意定数)}$

と書ける場合がしばしばあるが、 このとき $ \varphi_1$, $ \varphi_2$基本解 (fundamental solution) とよぶ。 つまり
  1. 特性方程式が相異なる $ 2$$ \alpha$, $ \beta$ を持つ場合、 $ e^{\alpha x}$, $ e^{\beta x}$ は基本解
  2. 特性方程式が相異なる重根 $ \alpha$ を持つ場合、 $ e^{\alpha x}$, $ x e^{\alpha x}$ は基本解
  3. 特性方程式が互いに複素共役である 虚根 $ a\pm i b$ を持つ場合、 $ e^{a x}\cos bx$, $ e^{a x}\sin bx$ は基本解



桂田 祐史