3.1 Malthusのモデルの修正としての logistic 方程式

マルサスの法則は、個体数の少ない間の増殖は良く説明できるが、 個体数が多くなると (環境が悪くなって増殖のスピードが鈍って)、 ずれが大きくなる。 言い換えるとモデルとしての妥当性が落ちてくる。

ピエール・フランソワ・フェルフルスト (Pierre-François Verhulst, 1804-1849, ベルギー) は、1838年に出版した論文の中で、人口予測のために次の微分方程式を提唱した (Wikipedia [3] の History 参照)。

$\displaystyle \frac{\D x}{\D t}=(k-\lambda x)x.$ (3.1)

ここで $ k$, $ \lambda$ は正の定数である。

次のようにも表される (両者が同等であることは容易に分かるであろう)。

$\displaystyle \frac{\D N}{\D t}=r N\left(1-\frac{N}{K}\right).$ (3.2)

$ r$ は内的自然増加率 (intrinsic rate of natural increase, intrinsic natural growth rate), $ K$は環境収容力 (Carrying capacity) と呼ばれる。

(C.22) や (3.2) を logistic 方程式とよぶ。



桂田 祐史