一般に微分方程式の解は無数に存在するが、 何か条件を加えると解が一つに確定することが多い。 代表的なものに (初期条件を加えた) 初期値問題がある。
次の (F.6a), (F.6b) を満たす を求めよ、という問題は初期値問題である。 (F.6b) が初期条件である。 は初期値, は初期時刻と呼ばれる。
一般に微分方程式の解のグラフのことを、 解曲線 (solution curve) または積分曲線 (integral curve) と呼ぶ5。 後で出て来る解軌道と混同しないように注意が必要である。
付録H.1 にこの図をどう描いたか説明してある。
式変形で方程式を解いて公式が得られる場合、
しばしば一意性 (それ以外に解がないこと) の証明にもなっているが、
変数分離形微分方程式の解法では、
割り算するところがあらわれ、
分母が0となるケースを除外して計算を進めるので、
一意性の完全な証明にはならない。