2.2.3 復習: 根と係数の関係

この項の内容は代数学の入門書に解説されていることが多い (証明はそういう本を見て下さい)。 色々あるが、例えば山崎 [16] をあげておく (ちょっと今では手に入れ難くなってしまったな… 高木 [17] に書いてあるかな?)。

$ 2$ 次方程式の場合

$\displaystyle a_2 x^2+a_1 x+a_0=a_2(x-\xi_1)(x-\xi_2)
$

より

$\displaystyle -a_2(\xi_1+\xi_2)=a_1,\quad a_2(\xi_1\xi_2)=a_0.
$

3 次方程式の場合

$\displaystyle a_3 x^3+a_2 x^2+a_1 x+a_0=a_3(x-\xi_1)(x-\xi_2)(x-\xi_3)
$

より

$\displaystyle -a_3(\xi_1+\xi_2+\xi_3)=a_2,\quad
a_3(\xi_2\xi_3+\xi_3\xi_1+\xi_1\xi_2)=a_1,\quad
-a_3(\xi_1\xi_2\xi_3)=a_0.
$

これを一般化して

$\displaystyle a_n x^n+a_{n-1}x^{n-1}+\cdots+a_1 x+a_0=a_n(x-\xi_1)(x-\xi_2)\cdots(x-\xi_n)
$

について、

$\displaystyle (-1)^s a_n
\times($$\displaystyle \mbox{$\xi_1$, $\cdots$, $\xi_n$ から $s$ 個取って作った積の和}$$\displaystyle )
=a_{n-s}$   $\displaystyle \mbox{($s=1,2,\cdots,n$)}$$\displaystyle . \qed
$


\begin{jdefinition}[基本対称式]
不定元 $X_1$, $X_2$, $\cdots$, $X_n$ ...
...dots$, $X_n$ の $s$ 次\textbf{基本対称式}と呼ぶ。
\end{jdefinition}


\begin{jtheorem}[根と係数の関係]
可換体 $K$ 上の $n$ 次の整式...
...rac{a_{n-s}}{a_n}=S_s(\xi_1,\xi_2,\cdots,\xi_n).
\end{displaymath}\end{jtheorem}


\begin{jdefinition}[対称式]
整域 $K$ における不定元 $X_1$, $X_2$, ...
...$, $\cdots$, $X_n$ の\textbf{対称式}であるという。
\end{jdefinition}


\begin{jtheorem}
不定元 $X_1$, $X_2$, $\cdots$, $X_n$ の任意の対称式...
...}
f=g(S_1, S_2, \cdots, S_n)
\end{displaymath}と表される。
\end{jtheorem}

その他、判別式、終結式などが勉強しておくべき内容である。



桂田 祐史