E..2 次数と段数 -- 次数の高い方法が良いかも

以下、古典的な Runge-Kutta 法を単に Runge-Kutat法と呼ぶ。

局所離散化誤差、全離散化誤差という言葉の定義は省略する (桂田 [3] などを見よ)。

Euler法は1次、Runge-Kutta法は4次の公式である。 これは (刻み幅を $ h$ と書くことにして、滑らかな解を持つ問題に適用したとき)

ことを意味する。 例えば、ある刻み幅 $ h$ で計算したときの誤差を $ \dfrac{1}{10000}$ にしたければ (精度を10進法で4桁あげたければ)、 ステップ数 (従って計算量)を、Euler 法では $ 10000$倍にしなければならないところ、 Runge-Kutta法では $ 10$ 倍にすれば良いと期待できる、ということになる。

数値例が見たければ


次数を高くするためには、より多くの手間をかける必要があるのが普通である。 手間の目安としては、公式の段数が使われることが多い。 それは時刻を1ステップ勧めるのに、 微分方程式の右辺に現れる関数$ f$を何回計算するかを表している。 Euler法は1段、Runge-Kutta法は4段である。 粗い言い方をすると、ステップ数を同じにする場合、 Runge-Kutta法はEuler法の4倍の計算量が必要ということである。


\begin{jremark}
「滑らかな解を持つ問題に適用したとき」と書...
...うであるとは限らないことは注意が必要である。
\end{jremark}



桂田 祐史