が
と LU 分解可能なとき、
の疎性は
と
に「遺伝する」、
つまり
が疎行列ならば、
と
も疎行列であることは比較的容易に分かる
(より具体的には「バンド幅」 -- まだ説明していない概念9だが -- は増えない)。
これに対して、 が疎行列であっても、
が疎行列になるとは限らない
(比較的有名であるので例は後回しにする -- なお、
次の例 2.2 もその例だと言えないこともない)。
も疎行列になるとは限らないことを例で示しておこう。
この例の問題で を記憶しておいて、
(4) で解を求めるやり方と、
を計算して
にかけて解を求めるやり方を比べてみるのは
有益である。
前者は、
に比例する計算量ですむ (疎性を有効に活かせた) が、
後者は、行列
とベクトル
の掛け算だけで、
に比例する計算量となってしまう (疎性を活かせなかった)。