これは難度が高く院生向け。
中尾充宏先生がパイオニアである偏微分方程式の解の精度保証付き数値計算は、 極めて重要な研究テーマであり、 数値解析の研究にたずさわるものは理解して自分のものにする努力をすべきであると 考えている。
一般流束条件下の Navier-Stokes 方程式の解の数値的検証という密かな目標がある。
石川 [79], 鈴木 [79], 福澤 [79] は中尾理論を勉強した、 というものである。 特に鈴木君は、 ささやかながら中尾先生の論文に出ていない実験結果も出している (本当によく理解していた)。 福澤君は定常 Stokes 方程式の解の精度保証の追試に成功していて、 上に述べた私の目標まで後一歩と言うところまで迫った。
精度保証付き数値計算は、ツールも発展途上である。 INTLAB のようなツールが出ているが、 似たようなことを目指した (始めたときは INTLAB の存在を知らなかっ た) 佐藤 [79] は貴重な挑戦の記録である。 数学科の学生であっても、 努力すれば言語処理系が作れることを実績で示したのは大きい。
いわゆる線形計算の精度保証技術も重要であるが、 それについては、礒野 [60] がある。 大石進一先生のグループの研究が身近なものになった。
桂田 祐史