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まあまあ得点源となったよう。
- (1)
- 出来ている人多かった。
- (2)
- 「ポテンシャルが存在するので単連結」という迷答がなぜか非常に多かった。
「定義域が単連結で、 が 0 ならば、ポテンシャルを持つ」という定理
からの連想ゲーム?仮定と結論を逆にしたら滅茶苦茶である。
- (3)
- (1) ほどではないけれど、出来ている人多かった。
- (4)
- 出題者の意図は、(1), (2), (3) から、
(3) の計算結果 ( とおく) が、
のポテンシャルであることが分かるので、
で計算するという手順を思いついてもらうことであった。
何度も強調したように「ポテンシャルは原始関数の一般化であって、
ポテンシャルを知っていれば、
線積分は代入計算だけで求まる」、ということである。
あるいは、 が閉曲線であることに気が付けば、
(1) と (2) だけで、この線積分の値が 0 であることに気が付く
(始点と終点が一致するので、 の値は計算するまでもなく、差は 0 となる)。
ここからは笑い話になるが、
そのためにも、
線積分は定義に従って計算すると大変面倒になるようなものにするつもりだったが、
指がすべって、やれば何とか出来るような問題になってしまい、
実際に地道に計算して値が 0 となることを示した答案が多かった。
そういう人の多くは (3) に手をつけていなかったので、
「線積分の定義を知って、それに基づき計算できる」ことの証明になるため、
その答案でもフルに点を与えることにした。それにしても少し工夫をしてもらい
たいもので、
となるのだが、 について奇関数であることを見破ったり
(2,3秒で結果が 0 になることが分かる)、
という置換が便利であることを見抜いて
(十数秒で結果が 0 になることが分かる) 欲しいものである。
の多項式に展開して計算するのは、
まことにご苦労様である。
それでは「間違えても仕方ない」でしょう。
答が合ったとしてもラッキーに近い (まあ、それでも点はつけました)。
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Masashi Katsurada
平成20年2月12日