next up previous
Next: 0.0.0.3 3. Up: 解説 出題の狙いと答案への講評 Previous: 0.0.0.1 1.

0.0.0.2 2.

(1)
基本中の基本の「縦線集合上の Fubini の定理」であるが、 出来が悪かった。ボーダーライン上の学生が単位を取れたか取れなかったか、 この問題が解けるか解けないかで判定しても、そう違いが出ないと思う。 諸君の答案を見ると、図を描いていない人が結構いる (出来なくても仕方ない)。 よくある間違いが2つあって、1つは

$\displaystyle \dint_\Omega 3x^2y \;\DxDy=\int_{0}^{2}\left(\int_{0}^1 3x^2 y\;\Dy\right)\Dx$   (間違い)

とするもの。これでは $ \Omega$ が長方形 $ [0,2]\times[0,1]$ になってしまう。 不可になっても仕方がない (もちろん他の問題も採点して、 合計点で判定するわけだが…)。 もう一つは

$\displaystyle \dint_\Omega 3x^2y \;\DxDy
=\int_{0}^{1}\left(\int_{0}^{2y} 3x^2 y\;\Dx\right)\Dy$   (間違い)

とするもの。$ x$ で先に積分する場合は、 左側 $ x=\psi_1(y)$ と右側 $ x=\psi_2(y)$ を探すわけで、 この場合は $ \psi_1(y)=2y$, $ \psi_2(y)=1$, すなわち

$\displaystyle \dint_\Omega 3x^2y \;\DxDy
=\int_{0}^{1}\left(\int_{2y}^{1} 3x^2 y\;\Dx\right)\Dy
$

が正しい。
(2)
計算問題中に重積分でなく重複積分を入れる理由は (90% 以上の確率で)、 積分の順序交換である。昨年度の問題もそうだったし、過去にさかのぼっても、 積分の順序交換をさせる問題は必ず1題は入れてある。 そもそも順序交換しないで

$\displaystyle \int_{y/2}^{\sqrt{\pi/2}}\sin\left(x^2\right)\;\Dx
$

を計算しようとしても無理である。 間違えて計算してしまった人がかなりの数いたが、猛反省して欲しい。
(3)
この問題は授業中の演習にしたもので、正解も配布済みである。 空間図形をきちんと式で捉えさせるのがねらい。 積分範囲が、不等式

$\displaystyle x^2+y^2\le 1-x^2-y^2
$   つまり$\displaystyle \quad
x^2+y^2\le \left(\frac{1}{\sqrt{2}}\right)^2
$

で定義される円盤であることが分かるかどうかが分かれ目である。 一切の説明抜きに $ 0\le r\le 1$ で積分したり ($ 1$ って一体何?)、 あろうことか $ 1\le r< \infty$ で積分したり、そういうのはダメ。


next up previous
Next: 0.0.0.3 3. Up: 解説 出題の狙いと答案への講評 Previous: 0.0.0.1 1.
Masashi Katsurada
平成20年2月12日