3.1.2 Euler-Maclaurinの定理

周期関数の一周期積分が台形公式でうまく計算できることは、 次の定理を用いることでひとまず説明できる。


\begin{jproposition}[Euler-Maclaurin展開, Euler (1736), MacLaurin (1742),
Jaco...
...}{n!}s^n
\quad\text{($\vert s\vert<2\pi$)}.
\end{displaymath}\end{jproposition}

Euler や MacLaurin は、 $ \dsp\sum_{k=1}^n k^r$ ( $ r=\pm1,\pm2,\dots$ ) や $ \dsp\sum_{k=1}^n \log k$ を評価するためにこの公式を導出したが、 この文書の立場では、台形公式の誤差を表す公式と見ることが出来る。 $ b-a$ $ f$ の周期であれば、$ \sum$ 0 になり、

   台形公式の誤差$\displaystyle =I(f)-T_{n}
=R_{m}=O\left(h^{2m+1}\right)
$

であることが期待される。

もっとも、具体的な問題に対して、この公式で誤差がどの程度になるかを 調べるのは難しい。

桂田 祐史
2018-08-13