の定義から , また (25) が成り立つので、
ゆえに
すなわち は問題 (W) の解である。
次に変分問題4(variational problem) にしたものを述べる。
(V) |
Find
s.t.
ただし
|
(W) と (V) は同値な問題であり、 常に一意的な解を持つことが比較的容易に分かる。
逆に がある程度滑らかであれば、 (W), (V) の解は (P) の解であることが示される。
問題 (V) の解 (それは (W) の解でもある) が 級であることを認めると、 (P), (W), (V) は互いに同値な問題ということになる。 (W) (P) は、Dirichlet 原理の一般化である (Laplace 方程式のDirichlet境界値問題の場合、 この は Dirichlet 積分 (の 倍) に他ならない。)。
そこで問題 (P) を解く代わりに、(W) あるいは (V) を解くことを目指す。
通常、変分法は、変分問題を解くために、それと同値な微分方程式の問題を導き、 そちらを解くことで変分問題の解を得るのが普通であるが、 ここでは逆に微分方程式の問題を解くために、それを変分問題に書き換え、 それを直接解く、という手順の議論をしている。 これは、変分法の直接法と呼ばれるものになっている。
を
を満たす数列として、
とおくとき、 を で、 を で置き換えた問題を考える。 の要素を区分1次多項式と呼ぶ。
次の2つの問題は同値であり、常に一意的な解 を持つ。 それを近似解として採用する。
( ) |
Find
s.t.
(
)
|
( ) |
Find
s.t.
|
を、 ,
を満たすものとする (この条件で は一意的に定まる)。 任意の は、
の形に一意的に表現出来る。係数 を定めれば良いが、 が (W) (あるいは (V)) を満たすことは、 がある連立1次方程式の解であることと同値であることが分かる。
実は が の 等分点であるとき、 有限要素解 の での値は、差分解 と一致する。 もちろん、いつもそうなるわけではない (もしそうならば、2つの方法を考える意味がない)。
有限要素法には以下の利点がある。
桂田 祐史