3.2.0.1 (P) の解が (W) を満たすこと

$ u$ が (P) を満たすとする。 任意の $ v\in X$ を (23) にかけて、$ [0,1]$ で積分し、 部分積分すると、

$\displaystyle -\left[u'(x)v(x)\right]_0^1+\int_0^1 u'(x)v'(x)\;\Dx=
\int_0^1 f(x)v(x)\;\Dx.
$

$ X$ の定義から $ v(0)=0$ , また (25) が成り立つので、

$\displaystyle \left[u'(x)v(x)\right]_{0}^1=u'(1)v(1)-u'(0)v(0)=\beta v(1).
$

ゆえに

$\displaystyle \int_0^1 u'(x)v'(x)\;\Dx=\int_0^1 f(x)v(x)\;\Dx+\beta v(1).
$

すなわち $ u$ は問題 (W) の解である。 $ \qedsymbol$


\begin{question}
逆に問題 (W) の解は、$C^2$ 級であれば、(P) の解でもあることを示せ。
\end{question}


次に変分問題4(variational problem) にしたものを述べる。
(V)
Find $ u\in X_{g_1}$ s.t.

$\displaystyle J[u]=\min_{w\in X_{g_1}} J[w].
$

ただし

$\displaystyle J[u]:=\frac{1}{2}\int_0^1 \left\vert u'(x)\right\vert^2\Dx-
\int_0^1 f(x)v(x)\;\Dx-\beta v(1).
$

(W) と (V) は同値な問題であり、 常に一意的な解を持つことが比較的容易に分かる。


\begin{question}
(W)と(V)が同値な問題であることを示せ。(ヒン...
...ath}が成り立つことが簡単な計算で確認できる。)
\end{question}

逆に $ f$ がある程度滑らかであれば、 (W), (V) の解は (P) の解であることが示される。

問題 (V) の解 (それは (W) の解でもある) が$ C^2$ 級であることを認めると、 (P), (W), (V) は互いに同値な問題ということになる。 (W) $ \THEN$ (P) は、Dirichlet 原理の一般化である (Laplace 方程式のDirichlet境界値問題の場合、 この $ J$ は Dirichlet 積分 (の$ 1/2$ 倍) に他ならない。)。


そこで問題 (P) を解く代わりに、(W) あるいは (V) を解くことを目指す。

通常、変分法は、変分問題を解くために、それと同値な微分方程式の問題を導き、 そちらを解くことで変分問題の解を得るのが普通であるが、 ここでは逆に微分方程式の問題を解くために、それを変分問題に書き換え、 それを直接解く、という手順の議論をしている。 これは、変分法の直接法と呼ばれるものになっている。


$ \{x_i\}_{i=0}^N$

$\displaystyle 0=x_0<x_1<\cdots<x_N=1
$

を満たす数列として、

$\displaystyle \widetilde X:=\left\{v\in C([0,1])\relmiddle\vert \text{$v$ は
小区間 $[x_i-1,x_i]$ では 1次多項式と一致}\right\},
$

$\displaystyle \hat X:=\left\{v\in \widetilde X\relmiddle\vert v(0)=0\right\}, \quad
\hat X_{g_1}:=\left\{v\in \widetilde X\relmiddle\vert v(0)=\alpha\right\}
$

とおくとき、 $ X$ $ \hat X$ で、 $ X_{g_1}$ $ \hat X_{g_1}$ で置き換えた問題を考える。 $ \widetilde X$ の要素を区分1次多項式と呼ぶ。

次の2つの問題は同値であり、常に一意的な解 $ \hat u$ を持つ。 それを近似解として採用する。

( $ \widehat{\text{W}}$ )
Find $ \hat u\in \hat X_{g_1}$ s.t.

$\displaystyle \int_0^1 \hat u'(x)v'(x)\Dx=\int_0^1 f(x)v(x)\Dx+\beta v(1)$   ( $ v\in \hat X$ )$\displaystyle .$

( $ \widehat{\text{V}}$ )
Find $ \hat u\in \hat X_{g_1}$ s.t.

$\displaystyle J[\hat u]=\min_{w\in \hat X_{g_1}} J[w].
$

$ \phi_i$ を、 $ \phi_i\in\widetilde X$ ,

$\displaystyle \widetilde \phi_i(x_j)=\delta_{ij}
$

を満たすものとする (この条件で $ \phi_i$ は一意的に定まる)。 任意の $ \hat u\in X_{g_1}$ は、

$\displaystyle \hat u(x)=\alpha\phi_0(x)+\sum_{i=1}^N a_i\phi_i(x)
$

の形に一意的に表現出来る。係数 $ a_1,\cdots,a_N$ を定めれば良いが、 $ u$ が (W) (あるいは (V)) を満たすことは、 $ a_1,\dots,a_N$ がある連立1次方程式の解であることと同値であることが分かる。

実は $ \{x_i\}$ $ [0,1]$ $ N$ 等分点であるとき、 有限要素解 $ \hat u$ $ x_i$ での値は、差分解 $ U_i$ と一致する。 もちろん、いつもそうなるわけではない (もしそうならば、2つの方法を考える意味がない)。

有限要素法には以下の利点がある。

桂田 祐史
2017-08-11