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4.4.1.0.2 符号の変化数

$\{p_i(\lambda)\}_{i=0}^N$ を Strum 列とするとき、 $p_N(a)\ne 0$ なる $a$ に対して

\begin{displaymath}
N(a)\Def\mbox{\lq\lq $\{p_0(a), p_1(a), \cdots, p_N(a)\}$'' の
\textbf{符号の変化数}}
\end{displaymath}

とおく。例えば

\begin{displaymath}
\begin{array}{c\vert c\vert c\vert c\vert c\vert c\vert c\v...
...p_9(a)&p_{10}(a) \\
\hline
+&-&-&-&0&+&+&+&+&-&-
\end{array}\end{displaymath}

では $N(a)=3$.

この符号の変化数は (特別な注意をせずに) 数値的に安定して計算できる。つ まり絶対値が非常に小さくて、符号の判別がつきにくい場合も、「符号の変化数」 そのものは疑いがなく計算できる。例えば

$p_{k-1}(a)$ $p_{k}(a)$ $p_{k+1}(a)$
$+$ 絶対値小 $-$
    または     
$p_{k-1}(a)$ $p_{k}(a)$ $p_{k+1}(a)$
$-$ 絶対値小 $+$
において $p_{k}(a)$ が正であっても負であっても $0$ であっても符号の変化 数の計算にとっては影響がない。注意すべきは Strum 列の条件 (iv) から
$p_{k-1}(a)$ $p_{k}(a)$ $p_{k+1}(a)$
$+$ 絶対値小 $+$
    または     
$p_{k-1}(a)$ $p_{k}(a)$ $p_{k+1}(a)$
$-$ 絶対値小 $-$
のような場合 (もしこうなったら符号の変化数の計算がむつかしい) が起こり得 ないことである。

Strum の定理によって、 $p_N(a) p_N(b)\ne 0$ なる $[a,b]$ におい て、$[a,b]$ 内の零点の個数は $N(a)-N(b)$ であることが分かる。


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Masashi Katsurada
平成17年6月2日