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4.2.2 Jacobi 法 -- 温故知新

1960 年代まで主流であった Jacobi 法について簡単に説明しよう。 これは実対称行列を $2$ 次元の回転変換により変形していって、対角成分以外 の成分の絶対値を小さくしていくというものであり、行列のサイズ $N$$10$ 程度の小さなものであれば現在でも実用的である。

なぜ「対角成分以外の成分の絶対値を小さくしていく」のか?これについて 説明しよう。まず次の定理は簡単であるが重要である。

\begin{jtheorem}
対角行列の固有値は対角成分である。
\end{jtheorem}

一般の行列の場合も次の定理が成り立つ。おおざっぱにまとめると「行列の固 有値は対角成分に近く、そのずれは非対角成分の大きさによる」。

\begin{jtheorem}[Gerschgorin の円板定理]
$A=(a_{i j})$\ に対して
\begin{display...
...ちで $k$\ 個が連結成分をなせば、その中に $k$\ 個の
固有値がある。
\end{jtheorem}



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Masashi Katsurada
平成17年6月2日