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浮動小数点数については、IEEE(アメリカ電気電信技術者協会のこと)の規
格が、有名かつ重要である。特に 1985 年に公表された P754 という 2進浮動
小数点数演算規格は、現在のパソコン、ワークステーションのマイクロプロセッ
サーに広く採用されているので、特に微妙な計算を必要とする場合は、規格を
学ぶ価値がある。この規格では、 等の NAN (not-a-number, 非数)、
不正規化数の導入、例外処理等の工夫がある。(もちろんデータの可搬性も保
証される。)
- IEEE 単精度
- 指数 8, 仮数 24
最小の非正規数 1.401e-45
最小の正規数 1.175e-38
最大の数 3.403e+38
b31(符号 s), b30..b23(指数 e),b22..b0(仮数部 f)
(implicit MSB があるので、仮数部は実質 24 bits)
正規数値 ()
非正規数値 ()
符号つきの ()
符号つきの ()
非数 ()
シグナルを発生するもの
シグナルを発生しないもの
- IEEE 倍精度
- 指数 11, 仮数 53
最小の非正規数 4.941e-324
最小の正規数 2.225e-308
最大の数 1.798e+308
b63(符号 s), b62..b52(指数 e),b51..b0(仮数部 f)
(implicit MSB があるので、仮数部は実質 53 bits)
正規数値 ()
非正規数値 ()
符号つきの ()
符号つきの ()
非数 ()
シグナルを発生するもの
シグナルを発生しないもの
- NaN
- - Not a Number の略。日本語では非数と訳される。
- denormalized number (非正規数)
- subnormal number の古い言い方。
- subnormal number (非正規数)
- この規格では、下駄ばき表現の指数が 0 になっている、ゼロでない浮動
小数点数のこと。
- exception(例外)
- 算術例外とは、ある算術演算を試みた時に、一般的に受け入れられる結果
が生成されないことを意味する。
- gradual underflow (漸近的アンダーフロー)
- 浮動小数点演算がアンダーフローした時、0 の代わりに非正規化数を返すこと。
- IEEE 例外
大きい数×大きい数 |
+Inf |
オーバーフロー |
大きい数×(-大きい数) |
-Inf |
オーバーフロー |
正数/0.0 |
+Inf |
0 除算 |
負数/0.0 |
-Inf |
0 除算 |
0.0/0.0 |
NaN |
演算不可能 |
小さい数/大きい数 |
非正規化数 |
アンダーフロー |
2.0/3.0 |
丸めが起こる |
結果不正確 |
- IEEE 拡張倍精度
- 指数 15, 仮数 64
- IEEE 4 倍精度
- 指数 15, 仮数 113
最小の非正規数 6.475e-4966
最小の正規数 3.362e-4932
最大の数 1.190e+4932
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Masashi Katsurada
平成17年6月2日