常微分方程式という方法論を使い始めてみてすぐに気がつくのは、 問題の解を既知の関数で表すことができない場合がある、という事実である。 このことは常微分方程式のもっとも簡単な場合と言える 「原始関数を求める問題」ですでにそうであったことから、 容易に了解できるであろう。
この困難を解決する一つの方法は、 特定の問題の解を表現できるような新しい関数を導入することである。 これは一定の成果をおさめたが、 一方で解が存在すること自体を保証する方法22が 求められたのも当然のことであろう。