2.3.0.1 指数関数についての算数的な問題

7日間(一週間)で2倍に増えるものがあるとする。 最初に $ 10$ あったとして、何日経つと10万 (1億の $ 0.1\%$) 以上になるか求めよ。

解答 94日後 ($ r=2^{1/7}$ として $ 10\cdot r^d>10^5$ を解くか、 $ 10\cdot 2^w
>10^5$ を解く)。      答えは略。 意外に時間がかかる (どう感じるかは人によるだろうけれど)。 感染症は流行初期に感染者数が指数関数的に増加することが知られている。 日本 (人口 1.2億) に10人の感染者が侵入してきて、 1週間ごとに感染者が2倍になるとしたとき、 例えば人口の$ 0.1\%$ になるまで、3ヶ月以上かかる、ということである。 指数関数が非常に速いスピードで増加することを知っている人は多いであろうが、 別の見方をすると、 気がつくくらいまで増えるのに (1000人に1人のレベルだと、 身近な範囲では感染した人に出会えるかどうか、 報道されればわかるだろうけれど)、 かなり時間がかかるということである。 一方、気づいたときには、対処が難しい (10万人をすぐにきちんと隔離するのは無理、 1週間ぐずぐずしていると新しい20万人の患者がやってくる)。 $ \qedsymbol$


マルサスの法則は、増加する場合の話であるが、 一方で同じ形の方程式が何かが減少する現象のモデルとして使えたりする。 有名なのは放射性元素の崩壊であろう。

調べ物課題 2.3.2   放射性元素の崩壊のモデルとするとき、$ a$ は何か説明せよ。 具体的な場合に数値を紹介せよ (いわゆる半減期から計算できる)。




桂田 祐史