C..2.2 特性方程式, 特性根

微分方程式 $ y''+p y'+q y=0$ に対して、2次方程式

$\displaystyle \lambda^2+p\lambda+q=0$

を微分方程式の特性方程式 (charasteristic equation), 特性方程式の根を特性根 (characteristic root) とよぶ。


\begin{jexample}
$y''-3 y'+2 y=0$\ の特性方程式は $\lambda^2-3\lambda+2=0$\ で、
特性根は $\lambda=1,2$. \qed
\end{jexample}


\begin{jlemma}
% latex2html id marker 1970
$\alpha$\ が $\lambda^2+p\lambda+q...
...\ は (\ref{eq:定数係数2階同次線形ODE}) の解である。
\end{jlemma}
$ y=e^{\alpha x}$ ならば、

$\displaystyle y'$ $\displaystyle =\alpha e^{\alpha x},$    
$\displaystyle y''$ $\displaystyle =\alpha^2 e^{\alpha x}$    

であるから、

$\displaystyle y''+p y'+q y=(\alpha^2+p\alpha+q)e^{\alpha x}=0\cdot e^{\alpha x}=0.\qed
$


\begin{jlemma}% latex2html id marker 1983
[重ね合せの原理 (principle of s...
...n}も (\ref{eq:定数係数2階同次線形ODE}) の解である。
\end{jlemma}
$ y=A y_1+ B y_2$ より

$\displaystyle y'$ $\displaystyle = A y_1'+ B y_2 ',$    
$\displaystyle y''$ $\displaystyle = A y_1''+ B y_2''$    

であるから

$\displaystyle y''+p y'+q y=A(y''+p y'+q y)+B(y''+p y'+q y)=A\cdot 0+B\cdot 0=0. \qed
$

上の二つの補題から、 $ \lambda^2+p\lambda+q=0$ の 2 根を $ \alpha$, $ \beta$ とするとき、

$\displaystyle y=A e^{\alpha x}+B e^{\beta x}$   $\displaystyle \mbox{($A$, $B$\ は任意定数)}$

は (C.11) の解であることが分かる。


\begin{jexample}
$y=A e^{x}+B e^{2 x}$\ ($A$, $B$\ は任意定数) は、
$y''-3 y'+2 y=0$\ の解である。 \qed
\end{jexample}

実は $ \alpha\ne \beta$ の場合、 (C.11) の解は (C.12) 以外にないことが示せる。 一方、 $ \alpha=\beta$ の場合にはもう一工夫必要である。 順番に考察していこう。



桂田 祐史