2.1 Malthusのモデルの微分方程式

実変数 $ t$ についての未知関数 $ x(t)$ について

$\displaystyle x'(t)=a x(t)$ (2.1)

という微分方程式を考える。ここで $ a$ は実定数であるとする。

この方程式は次のようにも書かれる。

$\displaystyle \frac{\D x}{\D t}=a x.$ (2.2)


$ a>0$ の場合として、 人口論の マルサスMalthus の法則のモデルがある。

$ a<0$ の場合として、放射性元素の崩壊のモデルがある。


用語の確認をしておこう。

方程式 (F.2) は、1階正規形の微分方程式 (normal form of first order differential equation) である。


一般に、適当な関数 $ f=f(x,t)$ を用いて

$\displaystyle x'(t)=f(x(t),t)$ (2.3)

の形に表される微分方程式が1階正規形の微分方程式である。 微分方程式についての定理や、 数値計算法の多くがこの形の方程式について説明される。


     (F.2) の場合に $ f$ は何か。



桂田 祐史