Napier に会いに行った頃はロンドンのグレシャム・カレッジの幾何学教授で、 後にオックスフォード大学に移り幾何学のサヴィル教授4となった。
まったくの余談であるが、ブリッグスの話を読んでいて、 なかなか良い気分になれる。
Napier の対数を知る前から数表作りにいそしんでいたという 数値計算家の面も筆者にとっては親近感が感じられるが、 Napier の Descriptio を読んで矢も立てもたまらず、 少々困難な旅行をして会いに行き (1615 年)、 一月逗留するだけでなく、 翌年も話をしに行き、 さらにその翌年も訪問するつもりであったというあたりは、 いつの世も真理を探究する者の行動は一途だなと思わせる。 自分は熱心な占星術反対者であるにも関わらず、 占星術の熱心な信奉者である Napier を敬うというのもイイ。 結局彼は Napier の仕事を引き継ぎ、花を咲かせることになる。
桂田 祐史