熱方程式を陰解法で解くには、 連立1次方程式を 1 ステップにつき 1 度解かねばならない。 トータルでは、膨大な回数解くことになる。 この連立1次方程式には
係数行列がいつも同じということから、 逆行列を最初に計算しておくと良いと考えるかもしれないが、 実はそれはひどく非効率的になって拙いやり方である。
『発展系の数値解析』で説明した Gauss の消去法を用いれば、 係数行列が疎であるという性質を生かした効率的な計算ができるが、 毎回行列の変形をしなければならないのが嫌味である。 しかし、実際にその行列の変形をしてみれば分かるが、 大部分の計算は毎回まったく同じである。 うまく工夫すれば計算の大部分が省略できることが想像できるはずである。 それを実現する方法が、以下に説明する係数行列の LU 分解である。
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