(i) $ \Then$ (ii)

$ R(A)$ が閉集合ならば、$ R(A^\ast)$ も閉集合である。 そこで

$\displaystyle \widetilde A\colon R(A^\ast)\ni x\longmapsto A x\in R(A)
$

を考えると、次の (a), (b), (c) が成り立つ。
(a)
$ R(A)$ , $ R(A^\ast)$ はそれぞれ $ Y$ , $ X$ の閉線型部分空間として Banach 空間である。
(b)
$ \widetilde A$ は上への写像である。 実際、 $ \forall a\in R(A)$ に対して、 $ A x=a$ となる $ x\in X$ があるが、$ x$ $ x=y+z$ ( $ y\in \overline{R(A^\ast)}=
R(A^\ast)$ , $ z\in N(A)$ )と分解すると、 $ A x=A y+A z=A y+0=A y$ なので、 $ a=A y=\widetilde A y$ .
(c)
$ \widetilde A$ は 1 対 1 である。 実際、 $ x\in R(A^\ast)$ , $ \widetilde A x=0$ とすると、 $ A x=0$ より $ x\in R(A^\ast)\cap N(A)=\{0\}$ なので $ x=0$ .
ゆえに値域定理から、 $ \widetilde A$ は連続な逆を持つ。 よって $ \forall x\in R(A^\ast)$ につき、

$\displaystyle \Vert x\Vert=\left\Vert\widetilde A^{-1} \widetilde A x\right\Ver...
...lde A x\right\Vert
= \left\Vert\widetilde A^{-1}\right\Vert\, \Vert A x\Vert.
$

ゆえに $ k=\left\Vert\widetilde A^{-1}\right\Vert^{-1}$ とすれば

$\displaystyle \Vert A x\Vert\ge k\Vert x\Vert. \qed
$

桂田 祐史
2017-04-30