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を
次実対称行列とする。
とおく。
,
,
であるから、
.
が定まる (念のため:
である)。
主張:
,
,
.
は実対称行列であるから、
固有ベクトルからなる正規直交基底
が存在する。
として、
とおくと、
,
,
.
,
,
であるから、
,
,
の最大性によって
(
) |
 |
さて、一般に
が成り立つことは容易に証明できる。
,
,
として、特に
を満たすものを取って、
において、次元を調べる。(
) を用いると
左辺と右辺が一致するので、不等式はすべて等式で

(主張の証明終わり)
さて、正則行列
による変換
で、
になったとする。簡単のために順番を修正して、
最初の
個は正,次の
個は負、残りは 0
, と出来る。つまり

(

)
として良い。
- (a)
次元空間
では
になるので、
.
- (b)
次元空間
では
になるので、
.
- (c)
次元空間
では
になるので、
.
(c) から
であるが、
(a) から
,
(b) から
であるから、
両端が等しいので、途中はすべて等式で
,
.
定理 11.3 の直接的な証明が見たければ、
杉原・室田 [8] を見よ
(もちろん前項の議論から、間接的には証明は済んでいる)。
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桂田 祐史
2015-12-22