8.2 区間Gauss消去法

Gauss の消去法を行う。 ピボットの選択を、 列を操作して mignitude が一番大きいものを選ぶようにする。

計算を進めるにつれ、区間の幅が大きくなる。 解を得ても成分の幅は大きくなる。

$\displaystyle \bm{A}=
\begin{pmatrix}[0.95,1.05]& [1.95,2.05] & [2.95,3.05] \\...
...5] & [6.95,7.05] \\
[1.95,2.05] & [-0.05,0.05] & [0.95,1.05]
\end{pmatrix},
$

$\displaystyle \bm{U}=
\begin{pmatrix}[1.95,1.05]& [3.95,4.05] & [6.95,7.05] \\...
...-4.31,-3.71] & [-6.46,-5.56] \\
[0,0] & [0,0] & [-1.23,0.23]
\end{pmatrix},
$

intgauss.m が使えるかどうかは、 行列 $ \bm{A}\in\mathbb{IR}^{n\times n}$ に依る。 一般の $ \bm{A}$ に対しては、 次元が $ n=3$ のように低くても成分の半径が大きすぎるならば問題が生じ得る。 大きな $ n$ に対しても、成分の幅が小さくなるならば、このアルゴリズムは成立する。 しかしながら、狭い行列に対して intgauss.m を使う場合も、 $ n$$ 60$ 以上の場合はアルゴリズムが破綻しがちである。

一般には区間Gauss消去法は有効でないにも関わらず、 あるクラスの行列に対しては適当である。 特に M-行列, H-行列, 優対角行列, 三重対角行列, 2次の正方行列に対してはうまく働く。 $ \bm{A}$ が M-行列であるとき、 多くの $ \bm{b}$ に対して、 解集合 $ \Sigma(\bm{A},\bm{b})$ の区間包が厳密に求まる。 Neumaier [34] は、 $ \bm{b}\ge 0$, $ \bm{b}\le 0$, $ 0\in\bm{b}$ の場合に、解集合の区間包が求まることを示した。

桂田 祐史
2020-09-03