(旧)桂田研ホームページ

 理工学部数学科の時の卒研のためのページです。



ようこそお越しくださいました。ただ今 (そしていつまでも) 工事中です。

卒研の内容・目標

 桂田研では、主に微分方程式の数値解析 (微分方程式をコンピューターで解くための数値計算法の数理と、 コンピューターシミュレーションによる解析) をテーマとしています。 せっかく数学科にやって来たのだから、 何か数学に対する実感を持って卒業して行ってもらいたいと思っています。

 例年、熱伝導方程式や Poisson 方程式、波動方程式などの微分方程式を解くための、 差分法や有限要素法などの数値解法を学び、 実際にコンピューター・プログラムを作成して、色々な数値実験を行なったり、 常微分方程式の力学系をシミュレーションして解析したりします。 卒研で何をするかは、学生のゼミBでの様子を見てから決めます。

 2010年度は、 従来通りの偏微分方程式に対する差分法から始めるゼミ (金曜 9:30〜12:30, テキストは藤田宏『応用数学』放送大学出版協会) と、 複素関数論における数値的方法を学ぶゼミ (金曜 1,2限, テキストは Peter Henrici, "Applied and computational complex analysis I", John Wiley & Sons, 1974) を行っています。

 これまで具体的にどういうことをしたかは 『桂田研卒業研究の歴史』 を見て下さい。

 卒研レポートを書いてもらいますが、 どういうものか、タイトルは 『桂田研卒業レポート』で見られます。 新しいものは原則公開しているので中身も読めます。 古いものは一般公開していませんが、 読んでみたければパスワードを教えますので、 メイルで連絡して下さい。 Java で作ったプログラムは気軽に見られるので、興味があれば 『桂田研学生のための Java のページ』 の先頭にある「過去の卒研での Java プログラム」をアクセスしてみて下さい。

 必要とする知識は、主に 3 年生までの解析 (特に微分方程式、 Fourier 解析) ですが、 コンピューターについてもある程度経験があった方がよいでしょう。

 プログラミング言語としては、C, C++, Java, MATLAB, Fortran, 何でも便利なものを使う主義です。 ゼミが始まる段階で、具体的に何か身についていなくても大丈夫ですが、 コンピューター・アレルギーだけはちょっと困ります。

 これまでテキストや副読本として利用した本には

1.
藤田 宏、応用数学、放送大学出版協会、の第 6, 7 章 (7 章は桂田が担当)
「第7章 発展系の数値解析」(PDF版)
6章は Fourier 級数と Fourier の方法による波動方程式, 熱方程式の話。 7章は差分法とそれによる熱方程式の数値シミュレーションです。
2.
神保 秀一、偏微分方程式入門、共立出版 ()
3.
Peter Henrici, Applied and computational complex analysis, John Wiley & Sons ().
4.
菊地 文雄・山本 昌宏、微分方程式と計算機演習、山海堂 (1991)
これは随分卒研レポートのネタを提供してくれた本です。 プログラムは Fortran で書かれていて読みづらく感じる人も多いでしょうが、 その他の説明部分は素晴らしく、今でも読む価値は高いです。 そのために Fortran を学んで解読するのも良い勉強でしょう。
5.
菊地 文雄、有限要素法概説、サイエンス社 (1980, 1999)
この本は数学科学生向けに書かれた本ではありませんが、 数学科学生が有限要素法を最初に学ぶ際に読む本としてベストだと思います。 これを読んで実際にプログラムを書いて実験してから、 関数解析を使った有限要素法の理論を学ぶのが定番コース。
6.
Smith, G. D., Numerical solution of partial differential equations third edition, Clarendon Press Oxford.
差分法の勉強と英語を読む訓練のために何回か使ってきました。
7.
藤田 宏その他、数理物理に現われる偏微分方程式、岩波書店
1,2章の熱方程式、3,4章のLaplace方程式を読んだことがあります。 3年生向けの講義科目「微分方程式2」の種本です。
8.
Evans, L., Partial Differential Equations, AMS (1998)
大学院進学者の訓練として使ったことがあります。 少しモダンな偏微分方程式のテキストです。
9.
岡本久, 非線形力学系 第I部, 岩波書店
2次元の渦糸系の作る力学系の解説をしてあります。 これはコンピューター・シミュレーションするのが楽しい。
10.
藤田宏, 現代解析入門 前篇, 岩波書店
Fourier 級数, Fourier 変換, 常微分方程式, 超関数などが書かれていますが、 これまでは常微分方程式の部分を読んだことがあります。
などがあります。
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Last modified: Sun Jul 1 02:56:22 2018