対数は John Napier (1550-1617) により発見・発明されたことは有名です。 Napier はスコットランドの男爵でしたが、 航海に必要な天文計算に役立てるため、 球面三角法の公式や、数値計算を迅速に行うための対数を発見・発明しました (カジョリ [79])。
既に Napier の主著の一つである Napier [16] の前半部分の 解読は済ませていて、Napier の対数がどういうふうに定義され、 どういう性質を持ち、 どのように利用されるか、ある程度は分かりました (桂田 [17] の「対数の歴史」, 武田 [18], http://sns.math.meiji.ac.jp/?m=pc&a=page_c_home&target_c_commu_id=135)。
数表の1行目を現代の電卓で検算
(なお現代人にとって であるが、 この時代、三角比と言えば、 , , のことで、 余角の , , である , , というものは、 そもそも言葉がなかったことに注意。 Napier は は に等しいということは分かっていた。 一つ注意しておくと、まだ小数が普及していなかった時代だが (そもそも小数点の記号 は Napier の発案だとか)、 負の数は既に普及していた。)
数表を記憶している人にはおなじみの、 が見える。 の値そのものはないけれど、自然対数の値はちらりと見えるわけです。
桂田 祐史