計算手続きの基本的な考え方は熱方程式の場合と同様である。
「空間変数」 については、区間
を
等分する:
方程式 (1) に現れる二つの微分、 に関する
階偏微分
と
に関する
階偏微分
の双方を、ともに「
階中心差分商」
で近似すると次の近似方程式が得られる:
(5) | ![]() |
一方 (2) からは、ごく自然に
(6) | ![]() |
(7) | ![]() |
(8D) | ![]() |
(8N) | ![]() |
数列
に関する方程式 (5),(6),(7),(8) は二つの添字
,
を含んでいるが、(5) を漸化式として、時刻に関する方の添字
の小
さい方から順に計算していくことができる。熱方程式の場合は、二番目の添字
のところには、
,
しか現れないが、(5) では
,
,
と
3 つのものが現れている。
での値を求めるために、一段前の
での
値のみならず、もう一段前の
での値が必要になったわけである。このこ
とは、もとの方程式が時刻
に関して
階であることに対応している。
そのため計算を出発させるためには、
での値だけでなく、
での値
も必要になるが、それは時刻に関する
階の微分を指定している初期条件
(3) に由来する (7) で与えられている。
熱方程式の場合と同様に、,
と性質の異なる刻み幅が 2 つある。
熱方程式の場合と同様に、安定に計算するためには両者を全く勝手なやり方で
0 に持っていくだけでは不十分である。とりあえず結論だけ述べておくと、
「安定であるためには
を
と選んで固定したまま、
,
とすれば良く、精度の面からは
とするのがよ
い」。