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1 レポート課題8 解説

「レポート課8」

うっかりしていました。締切りは先週だったから、 先週のうちに説明すれば良かったですね。


後で使いそうなものは変数に代入しておくのがコツの一つです。

(1)
$ 661775625$ を素因数分解せよ。」
これは FactorInteger[ ] 一発ですね。
In[1]:= n=661775625
In[2]:= FactorInteger[n]
これで {{3, 2}, {5, 4}, {7, 6}} という結果を得ます。 $ 3^2 5^4 7^6$ という意味であるから、 素因数分解は $ 661775625=3^2\cdot 5^4\cdot 7^6$ . 確認するには
In[3]:= 3^2 5^4 7^6
あるいは 3^2 5^4 7^6-n として結果が 0 になることを確認する。
(2)
$ 2^{15}-1$ $ 2^{20}-1$ の最大公約数を求めよ。」
これも GCD[ ] 一発ですね。
In[4]:= a=2^15-1
In[5]:= b=2^20-1
In[6]:= GCD[a,b]
$ 31$ という結果を得ます。 やや強引 (能率の悪い手段) ですが、素因数分解してみます。
In[7]:= FactorInteger[a]
In[8]:= FactorInteger[b]
これから $ 2^{15}-1=7\cdot 31\cdot 151$ , $ 2^{20}-1=3\cdot 5^2\cdot
11\cdot 31\cdot 41$ が分かるので、目で見て $ 31$ が最大公約数であることが 分かります。 最大公約数は、 例えば Euclid の互除法などで効率的に計算出来ますが、 素因数分解は (わかりやすいけれど)、大きな桁数の整数の場合、 かなりの計算時間がかかってしまうことがまれではありません。
とっさに作ったので間違っているかも知れないけれど、 自分で互除法をする関数を作ってみて確認する例:
In[9]:= mygcd[m_,n_]:=If[n == 0, m, mygcd[n, Mod[m,n]]]
In[10]:= mygcd[a,b]
(3)
$ (a+b)^5$ の展開公式を作れ。」
これは楽勝ですね。 おっと、ab の掃除を忘れずに (実は最初忘れてしまいました…)。
In[11]:= Clear[a,b,n]
In[12]:= Expand[(a+b)^5]
In[13]:= TeXForm[%]
a^5+5 a^4 b+10 a^3 b^2+10 a^2 b^3+5 a b^4+b^5 という結果を得ます。 これは TEX に取り込むのは簡単です。

$\displaystyle \left(a+b\right)^5=a^5+5 a^4 b+10 a^3 b^2+10 a^2 b^3+5 a b^4+b^5.
$

(4)
$ 2$ 次方程式 $ x^2+a x+b=0$ を解け。 $ 3$ 次方程式 $ x^3+p x+q=0$ を解け。 」
これは $ ax$ a*xa x と間違えずに入力すれば問題な いでしょう。
In[14]:= sol=Solve[x^2+a x+b==0,x]
結果を取り込むのにちょっと工夫。
In[15]:= {x1,x2} = x/. sol
In[16]:= TeXForm[x1]
In[17]:= TeXForm[x2]
これから

$\displaystyle x=\frac{1}{2} \left(-\sqrt{a^2-4 b}-a\right),
\frac{1}{2} \left(\sqrt{a^2-4 b}-a\right).
$

もちろん授業でやったように、結果を $ x^2+a x+b$ に代入して確かめる、 という手もあります。
In[18]:= x^2+a x+b /. sol
In[19]:= Simplify[%]
結果は {0, 0} になりました。

一方 $ x^3+p x+q=0$ の方も同様にやると

    $\displaystyle x$ $\displaystyle =\frac{\sqrt[3]{\sqrt{3} \sqrt{4 p^3+27 q^2}-9 q}}{\sqrt[3]{2} 3^{2/3}}-\frac{\sqrt[3]{\frac{2}{3}} p}{\sqrt[3]{\sqrt{3} \sqrt{4 p^3+27 q^2}-9 q}},$
      $\displaystyle \frac{\left(1+i \sqrt{3}\right) p}{2^{2/3} \sqrt[3]{3} \sqrt[3]{\...
...t{3}\right) \sqrt[3]{\sqrt{3} \sqrt{4 p^3+27 q^2}-9 q}}{2 \sqrt[3]{2} 3^{2/3}},$
      $\displaystyle \frac{\left(1-i \sqrt{3}\right) p}{2^{2/3} \sqrt[3]{3} \sqrt[3]{\...
...t{3}\right) \sqrt[3]{\sqrt{3} \sqrt{4 p^3+27 q^2}-9 q}}{2 \sqrt[3]{2} 3^{2/3}}.$

ごちゃごちゃしていて、訳がわかりませんね。 式の簡単化はまだコンピューターまかせは難しいです (しかし上と同様に $ x^3+p x+q$ に代入して、 Simplify[ ] すると、ちゃんと 0 になります)。
(5)
「次の関数を微分せよ。 (i) $ x^2\sqrt{x}+(x^3-x)\sqrt{x^2+x+1}$ (ii) $ \displaystyle\sqrt{\frac{1+x^2}{1-x^2}}$
するだけならば簡単。
In[18]:= y=D[x^2 Sqrt[x] + (x^3 - x) Sqrt[x^2 + x + 1], x]
In[19]:= Simplify[y]
Simplify[ ] するのが良いかどうか、分かりにくいですね。 両方書いておきます。

    $\displaystyle \left(x^2\sqrt{x}+(x^3-x)\sqrt{x^2+x+1}\right)'$ $\displaystyle =\frac{5 x^{3/2}}{2}+\sqrt{x^2+x+1} \left(3 x^2-1\right)+\frac{(2 x+1) \left(x^3-x\right)}{2 \sqrt{x^2+x+1}}$
      $\displaystyle =\frac{8 x^4+7 x^3+2 x^2+5 \sqrt{x^2+x+1} x^{3/2}-3 x-2}{2 \sqrt{x^2+x+1}}.$

これは確認計算が難しいですね。 バカバカしいですが、積分してみることは出来ます (普通は難しい積分の確認をするのに微分してみるものですが…)。
In[20]:= Integrate[y,x]
結果は $ \dsp x\left(x^{3/2}+\left(x^2-1\right) \sqrt{x^2+x+1}\right)$ と元に戻りました。 一方、
In[20]:= y=D[Sqrt[(1+x^2)/(1-x^2)],x]
In[21]:= Simplify[y]
これから

$\displaystyle \left(\sqrt{\frac{1+x^2}{1-x^2}}\right)'=
\frac{2 x}{\left(x^2-1\right)^2 \sqrt{\frac{x^2+1}{1-x^2}}}.
$

これも Integrate[y,x] で元に戻るのが確認出来ます。
(6)
「(i) $ \displaystyle\int_0^1\frac{1}{(x-2)^5} \D x$ (ii) $ \displaystyle\int_0^\pi\frac{1}{2+\cos x} \D x$
In[22]:= Integrate[1/(x-2)^5,{x,0,1}]
In[23]:= Integrate[1/(2+Cos[x]),{x,0,Pi}]

$\displaystyle \int_0^1\frac{1}{(x-2)^5} d x=-\frac{15}{64},\quad
\int_0^\pi\frac{1}{2+\cos x} dx=\frac{\pi}{\sqrt{3}}.
$

検算はやはり不定積分を微分して元の関数に戻ること、 その不定積分を元に定積分の計算をしてみるくらいでしょうか。
In[24]:= y=Integrate[1/(x-2)^5,x]
In[25]:= D[y,x]
In[26]:= (y /. x->1) - (y /. x->0)
Out[25] で元の関数が出て来て、 Out[26] $ -\dfrac{15}{64}$ となります。


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桂田 祐史
2012-09-02