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A. Newton 法の意味

Newton 法の式の意味を簡単に説明しよう。 微分の定義によると、$ x$$ a$ に十分近いところでは、 $ f$ は「接線の式」で近似されることが期待される:

$\displaystyle f(x)\fallingdotseq f'(a)(x-a)+f(a).
$

$ a$$ f(x)=0$ の解に十分近いとすると、$ f(x)=0$ の代わりに

$\displaystyle f'(a)(x-a)+f(a)=0
$

を解くことにより、$ a$ よりも精度の高い近似解が得られると考えるのは自 然であろう。実際に実行すると、まず移項して

$\displaystyle f'(a)(x-a)=-f(a).
$

両辺に $ [f'(a)]^{-1}$ をかけて

$\displaystyle x-a=-[f'(a)]^{-1}f(a),
$

ゆえに

$\displaystyle x=a-[f'(a)]^{-1}f(a)=a-\frac{f(a).}{f'(a)}.
$

多変数の場合も、 $ [f'(a)]^{-1}$ を Jacobi 行列の逆行列と考えれば、まっ たく同様に Newton 法が使える。


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Masashi Katsurada
平成17年7月7日