多変数の微分積分学2 (2007年度)

Last modified: Wed May 11 00:02:57 2011

 明治大学理工学部数学科 (2年16組) 向けに開講されている科目で、 多変数関数の微分積分学のうち、重積分とベクトル解析を扱っています。 しばし眠ります………

講義ノート

演習問題プリント

授業中の問

 計算問題などは、黒板でやってもらってのが良いかもしれませんが、 そうでない問題は全員にやってもらうつもりです。

いわゆる過去問


授業の記録

  1. (2007/9/25 火) 講義ノート第1部を配布。 最初なのでイントロダクションをする。 第1章に入り、上限和、下限和の定義まで説明。 今日はイントロが長かったので演習はなし。お疲れ様。
  2. (2007/9/27 木) 上限和、下限和の例。 細分の話。細かければ上限和は小さく、下限和は大きくなる。 一般に「上限和≧下限和」であること。 練習問題は sup, inf を求めるという問題。
  3. (2007/10/2 火) 上積分, 下積分, 閉方体上の積分の定義。 閉方体上の連続関数が積分可能であること。 練習問題は f(x)=x^2 の上限和, 下限和を求める問題。 一様連続性については後日解説予定。
  4. (2007/10/4 木) 積分の基本的な性質の証明を始める。リーマン和の定義。 ダルブーの定理。証明の途中で時間切れ。 積分の基本的な性質の証明は全部講義ノートに書いておいて、 時間を節約すべきであったか。
  5. (2007/10/9 火) ダルブーの定理の証明。リーマン和で積分を定義するのと同値であること。 「定義を書け」という問題について。
  6. (2007/10/11 木) 1.3 は後回しにして 1.4 の Fubini の定理に入る。 今日は閉方体の直積の上での重積分。 後半は問4を解いてもらう (そのココロは1変数の積分計算の復習)。 次回は 10/18 (10/16 は校務のため休講)。
  7. (2007/10/18 木) 問4の解説と演習問題のプリント(pp.3--4)を配る。 縦線集合上の Fubini の定理を説明し例をいくつか (証明はしていない)。 積分の順序交換。 次回演習のため演習問題を当てる。
    積分の順序交換の例として、畳み込みの話をしたが、 後から冷静に考えてみると、 Fubiniの定理の証明を大急ぎで実行することもあり得た。 でも重要な結果の証明に使われることを見せる方が大事だ、 と思うことにする。 Fubini の証明はゆっくりやろう。
    22日22:00からのNHK総合の番組 『100年の難問はなぜ解けたのか』 の紹介をした。 まともな番組だと良いのだけれど (NHKの科学がらみの番組は今一つ信用できない…)。
  8. (2007/10/23 火) 閉方体上の Fubini の定理の証明 (きちんと)。 縦線集合上の Fubini の定理の証明 (一部やり残し)。 演習 (問題4,5)。 断面で積分するという定理とその証明。
    うっかり昨晩の番組に言及するのを忘れた。 紹介した手前、最初は「まともな番組か?」と少し心配していたけれど、 まあまあで、後半は数学者のインタビューが多かったこともあって、 安心して楽しく視ていられました。
    二重積分に限って、Fubini, 変数変換の説明を済ませてから、 三重積分の練習をするというのが良い気がしてきた。 そうすると、断面積で積分というのはもっと後で説明すべきことになる。
  9. (2007/10/25 木) 「1.3 積分可能性とJordan可測性」 --- 積分可能性とJordan可測性に関する 便利な答と完璧な答。 「有界閉集合上の連続関数のグラフで囲まれた範囲はJordan可測」。 Jordan零集合とLebesgue零集合の定義。 Lebesgueの定理の紹介。 「不連続点全体がLebesgue零集合ならば積分可能」の証明。
  10. (2007/10/30 火) 前回やり残し「有界閉集合上の連続関数のグラフはJordan零集合」の証明。 「1.5 変数変換」の公式の紹介。2次元の極座標変換と1次変換。 例をいくつか。 演習は3次元極座標変換のヤコビアンの計算。 木曜は創立記念日なので次回は1週間後。
  11. (2007/11/6 火) 変数変換の公式を書き、説明。 空間極座標を説明する。 問6を解いてもらうが…結構苦戦している。
  12. (2007/11/8 木) 問6の解説。 色々と説明不足だったので、 (i) 平面の極座標変換で、 r 一定は円周, θ一定は原点から始る半直線であることを説明。 また x=a r cosθ, y=b r sinθ についてもていねいに説明。 (講義ノートに加筆が必要か。) (ii) 1次変換の性質, を後出しで説明した。 また det A が変換 x |-> A x による面積拡大率となることの説明。 ベクトル a, b ではられる平行四辺形の面積が det(a b) であることを 認めれば簡単。しかしこの微積的には証明にならない。 基本行列の積への分解を利用した証明を説明した。
  13. (2007/11/13 火曜) 変数変換の公式のもっともらしさの説明 (1.5.5) をした。 問題を当ててある人に黒板の前に出て問題 (5,8,10) を解いてもらった。 介護体験の季節のせいか、消化率が今一つ。 出席率とか学生の積極度とか、混合クラスの方が良い印象… しっかりして欲しい。
  14. (2007/11/15 木) 今日は積分の計算問題の解き方の指南。 極座標変換した場合の変数 (特に角度) の範囲の求め方。 プリント『重積分の説明の補足』 を使って、三重積分の重複積分への帰着のさせ方を説明した。 立体図形の体積の求め方。 z=f(r), r=√(x^2+y^2) は回転面で、 y=0 での切口 z=f(x) を描けば様子が分かる、という話。 問7を出した。
  15. (2007/11/20 火) 『講義ノート第2部』配布。 問7の解説。 今日から重積分の広義積分。 まず問8(1変数広義積分)演習。 定義の前に「とりあえず計算」。二つ例を出す。 木曜は生明祭準備日なので、次回は来週火曜。
  16. (2007/11/27 火) 問8は答のみ教える。解答はWWWページに載せてある。 広義積分の定義とその解説。 関数の符号が一定の場合はコンパクト近似列の取り方によらないという 命題とその証明。 問9を出す。 演習問題のプリント の5,6ページを配布。
  17. (2007/11/29 木) 問9のプリント配布&解説。 それに続いて確率積分の話。 符号が変化する関数の広義積分に入る。 少し級数の復習。 「絶対収束ならば収束。絶対収束ならば可換収束。 条件収束ならば R∪{±∞} に属する任意のλに収束するように 項の順番を変えられる。」 sin x/x の積分。 「|f(x)|≦φ(x)となる広義積分可能なφがあれば、fは広義積分可能」 という定理の紹介 (証明をするのをうっかり忘れてしまった!)。 1/r^αの積分。問10をやってもらう。
  18. (2007/12/4 火) 問10の解説を配布&説明。 定理の証明の後始末(結構大事な手法が含まれている)。 極限の順序交換。微分も積分も極限で定義されていること。 項別積分と項別微分。 微分と積分の順序交換(積分記号下の微分)に関する定理とその証明。 駆け足であるけれど極限の順序交換は終了。 このところ教える量が減っている気がする。 微分と積分の順序交換だけならば、 積分順序の交換の後に20分くらいで説明できそうだ。
  19. (2007/12/6 木) 広義積分の例を補足する。除外集合Nがx軸上の線分である場合など。 第2部「ベクトル解析」に入る。 内容的には大体講義ノートにそって説明する。 ベクトル場とは何か。ベクトル積。定義と計算手順。
  20. (2007/12/11 火) 広義積分の演習。1時間もかかったが、まあやって良かったのでしょう。 ベクトル積の性質を証明つきで説明した。
  21. (2007/12/13 木) 微分演算子 grad, div, rot, △を説明した。 演習は dvi(rot f)=0 の証明。
    (2007/12/18 火) 休講にしました (重要な研究集会だったもので…)。
  22. (2007/12/20 木) 線積分に入る。曲線のイロハ。 像、区分的C^k級、閉曲線、Jordan曲線などの用語。 弧長要素に関する線積分、ベクトル場の接線線積分の定義。
  23. (2008/1/8 火) §2.4「線積分とポテンシャル」超特急で解説。
  24. (2008/1/10 木) 線積分の例題、演習 (問13), ポテンシャル計算の例題, 宿題 (問14)。曲面のイロハ(色々な表現法)。
  25. (2008/1/15 火) 正則パラメーター曲面、面積分の定義
    問13の解答配布。昨年の期末試験問題配布。アンケート実施。 正則パラメーター曲面の定義、面積分。 (2008/1/17 木) は創立記念日で休講だ!(うわぁ)
  26. (2008/1/22 火5限, 0407号室)
  27. (2008/1/29) 期末試験 13:00〜15:00 (問題と解説と解答 (HTML), (PDF))

その他


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