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略解

すみませんが、図を描くのは省略させてもらいます (だれか描いてくれないかなあ)。

(1)
$ \emptyset$$ \R^2$ の開集合であり、$ \R^2$ の閉集合でもある。 これは命題0.3, 0.4 で済んでいる。
(2)
$ \R^2$$ \R^2$ の開集合であり、$ \R^2$ の閉集合でもある。 これは命題0.3, 0.4 で済んでいる。
(3)
$ \{(0,0)\}$$ \R^2$ の閉集合である。 一般に $ \forall a\in\R^n$ に対して、$ A=\{a\}$$ \R^n$ の閉集合である。 実際、 $ f\colon\R^n\ni x\mapsto\left\Vert x-a\right\Vert^2=\dsp\sum_{j=1}^n
\left(x_j-a_j\right)^2\in\R$ は、 多項式関数であるから、$ \R^n$ 上の連続関数で、 $ A=\{x\in\R^n; f(x)=0\}$命題0.2 (4) により $ \R^n$ の閉集合である。 あるいは、

$\displaystyle A=\bigcap_{j=1}^n F_j,\quad
F_j:=\{x\in\R^n; x_j=a_j\}
$

と書き直して、 各 $ F_j$命題0.2 (4) により $ \R^n$ の閉集合であること、 それと 命題0.4 (2) を使う、ということも出来る。
(4)
$ A=\{\vec x_1,\cdots,\vec x_n\}$$ \R^2$ の閉集合である。 実際、 $ A=\dsp\bigcup_{j=1}^n F_j$, $ F_j:=\{\vec x_j\}$ ( $ j=1,\dots,n$) と表すことが出来、各 $ F_j$ は (3) で示したように $ \R^2$ の閉集合で、 命題0.4 (3) を使えば良い。
(5)
$ (0,1)\times(2,3)=U_1\cap U_2$, $ U_1:=\{(x,y)\in\R^2; 0<x<1\}$, $ U_2:=\{(x,y)\in\R^2; 2<y<3\}$. 命題0.1 (3) を使えば $ U_1$$ U_2$$ \R^2$ の開集合であるこ とが分かり、命題0.3 (3) を使えば $ A$$ \R^2$ の 開集合であることが分かる。
(6)
$ [0,1]\times (2,3)$$ \R^2$ の開集合でもないし、 $ \R^2$ の閉集合でもない。
(7)
$ A=[0,1]\times[2,3]$$ \R^2$ の閉集合である。 実際 $ F_1:=\{(x,y)\in\R^2; 0\le x\le 1\}$, $ F_2:=\{(x,y)\in\R^2; 2\le y\le 3\}$ とおくと、 $ A=F_1\cap F_2$ で、 命題0.2 (3) を使えば $ F_1$$ F_2$$ \R^2$ の閉集合であるこ とが分かるので、命題0.4 (2) を使えば $ A$$ \R^2$ の 閉集合であることが分かる。
(8)
$ A=\{(x,y)\in\R^2; 1<x^2+y^2<4\}$$ \R^2$ の開集合である。 $ f(x,y):=x^2+y^2$ ( $ (x,y)\in\R^2$), $ a=1$, $ b=4$ とおくと、 $ f(x,y)$$ x,y$ の多項式で、 $ f\colon\R^2\to\R$ は連続関数であり、 $ A=\{(x,y)\in\R^2; a<f(x,y)<b\}$ と書けるので、 命題0.1 (3) を使えば $ A$$ \R^2$ の開集合であることが分かる。
(9)
$ A=(0,\infty)\times(0,\infty)$$ \R^2$ の開集合である。 $ U_1:=\{(x,y)\in\R^2; x>0\}$, $ U_2:=\{(x,y)\in\R^2; y>0\}$ とおくと、 $ U_1$$ U_2$命題0.1 (1) より $ \R^2$ の開集合である。 そして $ A=U_1\cap U_2$ であるから、 命題0.3 (3) より $ A$$ \R^2$ の開集合である。
(10)
$ A=\{(x,y)\in\R^2; x^3\le y\le x^2\}$$ \R^2$ の閉集合である。 $ f_1(x,y):=y-x^3$, $ f_2(x,y):=y-x^2$, $ F_1:=\{(x,y)\in\R^2; f_1(x,y)\ge 0\}$, $ F_2:=\{(x,y)\in\R^2; f_2(x,y)\le 0\}$ とおくと、$ F_1$$ F_2$命題0.2 (1), (2) より $ \R^2$ の閉集合である。 また $ A=F_1\cap F_2$ であるから、 命題0.4 (2) より $ A$$ \R^2$ の閉集合である。
(11)
$ A=\R^2\setminus\{(0,0)\}$$ \R^2$ の開集合である。 実際、 $ f\colon\R^2\ni(x,y)\mapsto x^2+y^2\in\R$ は連続関数で、 $ A=\{(x,y)\in\R^2; f(x,y)>0\}$ であるから、 命題0.1 (1) より $ A$$ \R^2$ の開集合である。 $ \qedsymbol$

ARRAY(0xfa3e30)


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Masashi Katsurada
平成23年6月2日