3.1 数値積分公式

積分

\begin{displaymath}
I(f)=\int_a^b f(x)\Dx
\end{displaymath}

を求めるための近似公式3.1は、通常次の形である。
(3.1) \begin{displaymath}
I_n(f)=\alpha_1 f(x_1)+\cdots+\alpha_n f(x_n)\quad\mbox{($n$ 点公式)}.
\end{displaymath}

ここで $\alpha_j$ は定数, $x_j$ は区間 $[a,b]$ における相異なる分点で ある。この公式による誤差を $E_n(f)\DefEq I(f)-I_n(f)$ で表わし、条件

\begin{displaymath}
E_n(x^k)=0\quad\mbox{($k=0,1,2,\cdots,m$)}
\end{displaymath}

が成り立つとき、公式 (3.1) は少なくとも $m$ 次の精度を持 つという。また

\begin{displaymath}
E_n(x^k)=0\quad\mbox{($k=0,1,2,\cdots,m$)},\quad
E_n(x^{m+1})\ne 0
\end{displaymath}

が成り立つとき、公式 (3.1) は (ちょうど) $m$ 次の精度を持つ、 (ちょうど) $m$ 次の積分公式であるという。

明らかに、ちょうど $m$ 次の積分公式を用いるとき、高々 $m$ 次の多項式 $f(x)$ について $E_n(f)=0$, また $m+1$ 次の任意の多項式 $g(x)$ に対して、 $E_n(g)\ne 0$ である。



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桂田 祐史
2016-03-13