next up previous
Next: 2B Up: 2004年度基礎数学III 期末テスト解説 Previous: 1B

2A

(1) これは宿題にしたことがあり、$ n\ge 1$ のとき

$\displaystyle f^{(n)}(x)=\alpha(\alpha-1)\cdots(\alpha-n+1)(1+x)^{\alpha-n}.
$

この結果を $ {}_\alpha\mathrm{P}_n$ と 書いた人が何人かいた。 $ {}_\alpha\mathrm{P}_n$ は順列のつもりなのかもしれないが、 ここでは $ \alpha$ は一般の実数であって、自然数とは限らないので、 この記号を使うのは不適当である (採点上は大目に見た)。 同じ理由で $ \dfrac{\alpha!}{(\alpha-n)!}$ と 書くのも間違いである。
(2) マクローリン展開の公式に (1) から分かる $ f^{(n)}(0)$ を代入するだけである。

$\displaystyle f(x)
=\sum_{n=0}^\infty\frac{f^{(n)}(0)}{n!}x^n
=1+\sum_{n=1}^\infty\frac{\alpha(\alpha-1)\cdots(\alpha-n+1)}{n!}x^n.
$

(3) 上の展開式で $ \alpha=1/3$ の場合を使って、

$\displaystyle \sqrt[3]{1+x}=(1+x)^{1/3}
=1
+\frac{\dfrac{1}{3}}{\;1!\;}x
+\frac...
...eft(\dfrac{1}{3}-1\right)}{2!}x^2+\cdots
=1+\dfrac{x}{3}-\dfrac{x^2}{9}+O(x^3)
$

となるので、$ x\to 0$ のとき

$\displaystyle \frac{\sqrt[3]{1+x}-(1+x/3)}{x^2}=-\frac{1}{9}+O(x)\to -\frac{1}{9}.
$




next up previous
Next: 2B Up: 2004年度基礎数学III 期末テスト解説 Previous: 1B
Masashi Katsurada
平成16年8月1日