6.2.1 その重要性の説明

Laplace方程式の境界値問題 (6.1b), (6.1b) を少し一般化する。


$ \Omega$ $ \mathbb{R}^n$ ($ n=2,3$) の領域、 その境界 $ \Gamma:=\rd\Omega$

$\displaystyle \Gamma=\Gamma_1\cup\Gamma_2,\quad \Gamma_1\cap\Gamma_2=\emptyset
$

と分割されていて、 $ f\colon\Omega\to\mathbb{R}$, $ g_1\colon\Gamma_1\to\mathbb{R}$, $ g_2\colon\Gamma_2\to\mathbb{R}$ が与えられたとする。 また $ \bm{n}$ は、$ \Gamma_2$ 上の点における外向き単位法線ベクトルとする。

このとき $ u\colon\overline{\Omega}\to\mathbb{R}$ で、 次の方程式を満たすものを求めることを考える。

\begin{subequations}% 2024-05-23 14:52の式群
\begin{align}-&\Laplacian u=f \q...
...rd u}{\rd\bm{n}}=g_2 \quad \text{(on $\Gamma_2$)}. \end{align}\end{subequations}

(6.2a) は有名な偏微分方程式で、 Poissonポアソン方程式と呼ばれる。

(6.7b), (6.2c) はそれぞれ Dirichletディリクレ境界条件, Neumannノイマン境界条件と呼ばれる。

Poisson方程式は、楕円型偏微分方程式の典型例であり、 様々な現象のモデルに登場する。

重力場
    $ f$は(質量分布の)密度, $ \phi$ はポテンシャル・エネルギー
静電場
    $ f$ は電荷密度, $ \phi$ は電位
熱平衡
    $ f$ が発生する熱量, $ \phi$ は温度


この問題は数学的に非常に詳しく研究されてきた。 一般に解の存在が証明できたのは20世紀に入ってからである。


その中でも $ f=0$ の場合 (Laplace方程式 $ \Laplacian u=0$) がとりわけ重要である。 ポテンシャル問題と呼ばれる。 これは関数論においても、多くの基本的な結果を得るための基礎となる (調和関数を決定する問題が解ける)。


ポテンシャル問題には、 差分法 (FDM, finite difference method)、 有限要素法 (FEM, finite element method) をはじめとする多くの数値解法が適用できる。 特に Laplace 方程式の場合は、 基本解の方法 (method of fundamental solution) が有効である。



桂田 祐史