の定義から , また (2.3) が成り立つので、
ゆえに
すなわち は問題 (W) の解である。
次に変分問題3(variational problem) にしたものを述べる。
問題 (V) |
に属する
で
を最小にするもの、すなわち
(
は結局は
と書いても良い)
を満たすものを求めよ。ただし
|
が汎関数であることに注意しよう。
(W) と (V) は同値な問題であり、 常に一意的な解を持つことが比較的容易に分かる。
逆に がある程度滑らかであれば、 (W), (V) の解は (P) の解であることが示される。
問題 (V) の解 (それは (W) の解でもある) が 級であることを認めると、 (P), (W), (V) は互いに同値な問題ということになる。 (W) (P) は、Dirichlet 原理の一般化である (Laplace 方程式のDirichlet境界値問題の場合、 この は Dirichlet 積分 (の 倍) に他ならない。)。
そこで問題 (P) を解く代わりに、(W) あるいは (V) を解くことを目指す。
通常、変分法は、変分問題を解くために、それと同値な微分方程式の問題を導き、 そちらを解くことで変分問題の解を得るのが普通であるが、 ここでは逆に微分方程式の問題を解くために、それを変分問題に書き換え、 それを直接解く、という手順の議論をしている。 これは、変分法の直接法と呼ばれるものになっている。
桂田 祐史