next up previous contents
Next: 2.4 参考書 Up: 2.3 Gauss の消去法の丸め誤差解析 Previous: 2.3.3.0.1 練習問題

2.3.4 行列の条件数


\begin{jdefinition}[行列の条件数]\upshape
$K^N$\ にノルムが定められているとき、$...
...= \Vert A\Vert \Vert A^{-1}\Vert
\end{displaymath}で定義する。
\end{jdefinition}


\begin{jproposition}
% latex2html id marker 729
[条件数の性質]\upshape
\begin{en...
...\Vert}{\Vert b\Vert}
\right).
\end{displaymath}\end{enumerate}\end{jproposition}

上の命題の「実際的な意味」を考えるために、次の注意をしておこう。ピボッ トの選択をした Gauss の消去法で、まともに計算が進んだ場合は、

\begin{displaymath}
\frac{\Vert\Delta A\Vert}{\Vert A\Vert}, \quad \frac{\Vert\Delta b\Vert}{\Vert b\Vert}
\end{displaymath}

は、用いている浮動小数点数の体系の計算機イプシロンの(ある程度は見積も ることの出来る、そう大きくはない)定数倍程度の量であると考えられる。

${\rm cond}(A)$ は問題の解きにくさを計る目安となる。つまり ${\rm cond}(A)$ が 大きいと解きにくい。特に

${\rm cond}(A)$ が計算機イプシロンの逆数程度以上に大きい場合はまともな計算 は望めない。


next up previous contents
Next: 2.4 参考書 Up: 2.3 Gauss の消去法の丸め誤差解析 Previous: 2.3.3.0.1 練習問題
Masashi Katsurada
平成17年6月2日