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前節に解説したタイプの公式のうち、 の場合、
すなわち 段法を Runge-Kutta 型公式という。
いくつかの について、右辺の を計算し、
それらの重みつき平均によって、適当な次数の (=その次数までの
真の解の Taylor 展開と一致するような)公式を作っている。
具体的には Runge-Kutta 型公式の一般形は
の形に書くことが出来る。ここで を段数 (number of
stages) と呼ぶ。段数とは、要するに ステップ先に進めるために必要な
の計算回数である6。
上の式は、
, , , についての 元連立1次方程式を解いて、
その重みつき平均を に足して を求める、
という手順で使うことになる。
段数 と係数
,
,
を選ぶとスキームが定まることになる。
それら係数を並べた
のような表を Stetter の行列表現 (Stetter's notation) と
呼ぶ7。
公式が前進型 (陽的、explicit)であるとは
が成り立つことを言う8。
このとき、, , , の順に容易に計算できる。
公式が前進型でない場合、
公式が陰的 (implicit) であるという。
陰的な場合でも
が成り立つ9場合は
半陰的 (semi-implicit) であるという。
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Masashi Katsurada
平成23年4月29日