Next: 9 参考書
Up: 常微分方程式の初期値問題の数値解法
Previous: 7.1 線形安定性解析
以下は工学的見地からの説明である (新しい言葉に説明がついているが、
数学的な定義になっていないものが多い)。
じていすう時定数 (time scale)とは、
解が
に減衰するのに必要な時間のことである14。
が
を正の定数として
のように表されているのならば
が時定数である。
こういう問題を数値解法で解く場合、
数値的安定性の要請から小さな時定数にあわせて
を選ぶと、
なかなか計算が進まない。
これは数値解法に特有の困難である (もとの問題自身は安定である)。
-stable な方法があればよいが、
のような「否定的な」結果がある。そこで対応策として、
-
-stable はあきらめ、
別の (もう少し弱くした) 安定性の概念を考える。
Stiff stability (S-安定性)
の概念。ギアGear の方法。
-
-stable な陰的 Runge-Kutta 法はかなり次数の高い公式が作られている。
などが考えられる。
Next: 9 参考書
Up: 常微分方程式の初期値問題の数値解法
Previous: 7.1 線形安定性解析
桂田 祐史
2015-05-30