微分係数の定義より、
が十分小さければ
と近似できる。
そこで
から
に関する方程式
(4) |
![$\displaystyle \boxed{\frac{x_{j+1}-x_j}{h}=f(t_j,x_j)}$](img37.gif) |
を得る (正確には、
この方程式の解として
を定義するわけである)。
(4) を整理して、
(5) |
![$\displaystyle x_{j+1}=x_j+h f(t_j,x_j)$](img38.gif) |
なる「隣接二項」の漸化式を得る。
は分かっているわけだから、
これから
,
,
,
を順番に計算できる。
以上が前進Euler 法である
3。
前進 Euler 法は素朴であるが、次の意味で「うまく働く」。
![$ f$](img10.gif)
が連続かつ
![$ x$](img21.gif)
について Lipschitz 条件を満たす程度の滑らかさがあれば、
![$ (t_j,x_j)$](img43.gif)
を結んで出来る折れ線をグラフとする関数は、
![$ N\to\infty$](img44.gif)
とするとき、真の解に収束する。
しかし、
実は Euler 法はあまり効率的ではないため、実際に使われることはまれである。
(一方で、後退 Euler 法は、無条件に安定となるため、しばしば利用される。)
桂田 祐史