A.6 Bernoulli 法

与えられた解析関数の零点のうちで原点に最も近いものを求める方法と、 その多項式への応用 (ベルヌイの方法) を述べる。


\begin{jlemma}[ケーニッヒ]
\begin{displaymath}
h(z)=c_0+c_1 z+c_2 z^2+\cdo...
... $\rho$ は $\vert z_r\vert<\rho<R$ を満たす数である。
\end{jlemma}

複素平面上の円板 $ D_R=\{z\in\mathbb{C}; \vert z\vert<R\}$ で定義された有理型 関数

$\displaystyle f(z)=a_0+a_1 z+a_2 z^2+\cdots,\quad a_0\ne 0
$

が、$ D_R$ 内に唯一の零点 $ z_a$ を持つとする。また

$\displaystyle g(z)=b_0+b_1z+b_2z^2+\cdots
$

$ D_R$ で正則で、 $ g(z_a)\ne 0$ を満たす関数とする。 このとき

$\displaystyle h(z)=\frac{g(z)}{f(z)}=c_0+c_1z+c_2z^2+\cdots
$

は補題の条件を満足する。ゆえに

$\displaystyle \lim_{k\to\infty}\frac{c_{k+1}}{c_k}=\frac{1}{z_a}.
$

これから $ f(z)=0$ の絶対値最小の零点が得られる。

$ g(z)=h(z)f(z)$

$\displaystyle b_0+b_1z+b_2z^2+\cdots=
(a_0+a_1 z+a_2 z^2+\cdots)
(c_0+c_1z+c_2z^2+\cdots)
$

から

(A.11) \begin{displaymath}\begin{array}{r} a_0 c_0=b_0  a_0 c_1 + a_1 c_0=b_1  a_0 ...
... \cdots\cdots\cdots\cdots \cdots\cdots\cdots\cdots \end{array}\end{displaymath}



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桂田 祐史