6.1 数直線上の Hilbert 変換

$ \R$ 上定義された関数 $ f$ に対して、

(6.1) $\displaystyle H f(y):=\frac{1}{\pi}\int_\R \frac{f(x)}{x-y}\Dx$

で定義される関数 $ H f$ $ f$ Hilbert 変換という。 ただし積分は主値を取るものとする。すなわち

(6.2) $\displaystyle \int_\R \frac{f(x)}{x-y}\Dx =\lim_{\delta\to +0}\int_{\vert x-y\vert\ge \delta}\frac{f(x)}{x-y}\Dx.$

もしも $ f\in L^2(\R)$ ならば、 (6.1) の積分はほとんどいたるところ収束し、 $ H f\in L^2(\R)$ で、

(6.3) $\displaystyle \Vert f\Vert _{L^2(\R)}=\Vert H f\Vert _{L^2(\R)}.$

また

(6.4) $\displaystyle H(H f)= -f.$

桂田 祐史
2017-04-30