2.9 直交直和

$ V_1$ , $ V_2$ $ \R^n$ の線型部分空間で、互いに直交する ( $ V_1\perp V_2$ ) ものとする。このとき

$\displaystyle V_1+V_2=\{v_1+v_2; v_1\in V_1, v_2\in V_2\}
$

のことを $ V_1\oplus V_2$ と書き、$ V_1$ $ V_2$ (直交) 直和と呼ぶ。

$ V_1\oplus V_2$ はいわゆる直和になっている。すなわち、 $ \forall x\in V_1\oplus V_2$

$\displaystyle x=v_1+v_2$   $\displaystyle \mbox{($v_1\in V_1$, $v_2\in V_2$)}$

と書けるが、この $ v_1$ , $ v_2$ は一意的に定まる。

$\displaystyle x=v_1'+v_2'$   $\displaystyle \mbox{($v_1'\in V_1$, $v_2'\in V_2$)}$

と書けたとすると、

$\displaystyle v_1-v_1'=v_2'-v_2
$

であるが、左辺は $ V_1$ , 右辺は $ V_2$ に属するので、 結局は $ V_1\cap V_2$ に属することになり、 $ V_1$ $ V_2$ の直交性よりそれは 0 に他ならない:

$\displaystyle v_1-v_1'=v_2'-v_2=0.
$

ゆえに $ v_1=v_1'$ , $ v_2=v_2'$ . $ \qedsymbol$


\begin{jremark}
有名な斎藤先生の本 \cite{齋藤} では、
普通の...
...齋藤3} では両方とも $V_1\oplus V_2$\ と書いていた。
\end{jremark}

桂田 祐史
2017-04-30